GM70シングル リップルフィルタの電圧確認

2016-03-21 12.55.43

一つ前の記事で、初段用のリップルフィルタを作ったと書きました。リップルフィルタは安定化電源では無いため負荷によって電圧が変ります。家にある中華電子負荷は 360V 以上は使えないので、ワット数の大きい抵抗を引っ張り出してきてブレッドボードに並べて一本ずつ抵抗負荷を増やしたときの電圧が何ボルトになるか確認しました。280V – CT – 280V 0.1A の巻線を両波整流したのがリップルフィルタの入力です。

ということで下の表がその結果。初段 6SL7 は 0.5mA 程度のプレート電流。6SN7 はパラで使用し 24mA のプレート電流あたりかなぁとざっくり考えています。ステレオなので、2倍した合計は 49mA 程度なので、6SL7 の B電源は 240V くらい、6SN7 の B電源は 358V 程度になる見込です。これで電圧の目安がわかったので 6SL7 と 6SN7 のロードライン引きたいと思います。

抵抗(k) 合成抵抗(k) I(mA) B1(V) B2(V)
75 75.0 5.0 376 252.8
75 37.5 10.0 374 250.9
75 25.0 14.9 372 249.1
75 18.8 19.7 369 247.9
75 15.0 24.5 367 246.4
75 12.5 29.2 365 245.2
68 10.6 34.5 364 244.3
68 9.1 39.7 363 243.0
68 8.1 44.7 360 241.9
68 7.2 49.7 358 240.4
68 6.5 54.8 357 239.2
68 5.9 59.7 355 238.5

B電源の動作確認と、初段・ドライバのバイアス確認

2014-04-27 07.24.34

電源まわりの基板も出来ました。出力される電圧などは、現状渡しみたいなもんですな。微調整は入れますが面倒になってきつつあるので。ここからは現物あわせで組んでいきます。今回は作った電源ユニットで初段とドライバが動くか確認です。

testCircuit01

テストでブレッドボードに組んだ回路です。

電源入れてみたところ、12AU7 用の電源ユニットから 380V 出まして、そこから電源をもらった 12AX7 SRPP 用電源出力は 168V でした。(時間帯によってもかわるので目安です)。ブレッドボードに初段とドライバの回路を再現いたしまして SRPP の上側カソード電圧とドライバのカソード電圧を測ります。あとは表計算で引き算と割り算やってもらいました。

直結バイアス01

上の表は比較的特性揃っている 12AX7 SRPP と 12AU7 ドライバ直結時の電圧参考値です。これを見ますと、12AU7 のカソード抵抗の電圧 90V 程度が丸く収まる感じのところですね。

  • SRPP 側の上側カソード電位も電源電圧のおよそ半分くらいになる
  • グリッドバイアス-8V もグラフ上わかりやすく、SRPP の出力も受けられるバイアス

このときの、SRPP 下側カソードの電位は 0.842V でしたので、ポータブルなプレーヤーの出力は受けられそうです。まぁなんとかなりそう。

ドライバ、 初段の B 電源も出来た。ハズ

2014-04-26 14.47.32

初段とドライバの B 電源ユニットも組みました。これで合計 4 つ。

  • 一番奥の青い基板が 6C33C 用の 180V/600mA
  • 手前の青い基板が 12AU7 で 380V/40mA
  • 左の平ラグ板は 12AU7 の B 電圧を約半分の 170V 程度にして、初段 12AX7 で使う電源
  • 右の縦ラグは、6C33C の固定バイアスに使う-85V 程度の負電源

プリント基板化したリップルフィルターは終段用だけでよかったのですが、実験で 2 枚使ったので残り 1 枚捨てるのももったいないのでハンダ吸い取り線のヤニ拭いて再利用した次第。

初段とドライバのバイアスが取れるか、今回作った電源で再確認する予定です。これでいけそうでしたら。一番大変なシャーシ加工へ移行していきます。

終段用の B 電源ほぼ出来た

この週末の作業時間も終りです。リップルフィルター基板の抵抗外したり付けたり、FET を付けたり外したり。基板がヤニだらけになりましたが、なんとかプリントパターンもハガレることなく保ってくれました。一昔前のベークなユニバーサル基板なんて、ランドはがれてしまう事故はあたりまえでしたからねぇ。

まだ昨日のミスをひきずっているので今日は軽めの内容で。昨日は FET の違いなどの様子見もあったのでリップルフィルターを2枚重ねてテストしていましたが、今日は1枚に集約して大丈夫そうか確認。

結果は、基板1枚で 180V 左右のチャネルあわせて 600mA は今のヒートシンクでもなんとかいけそうな感じですがシャーシに放熱の穴は必要な感じの熱さではあります。どうしようもなければ、そのときに考えましょう。

2014-04-20 20.59.37

今日の残りの作業は、左右のチャネル合計 600mA 流してる状態でのリップルの確認。激安中華オシロの AC 結合で 数mV 測っても役に立たないので普通にテスターで測ります。 SANWA の普段使いのテスターで 3mV

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普段使いじゃないテスターで2.2mV 程度のリップルらしいです。DC に乗ってるリップルはオシロの AC 結合で見るより、テスタで見るほうが楽と思います。入力のコンデンサのところで 2~3Vp-p 振ってる状態から 1/500 から 1/1000 の値なので -53 ~ -60dB くらい取り除けていると。

ということで本日の作業は終了。今後は、初段に使う 12AX7 の電源をどうするかが残ってます。

6C33C-B ブレッドボードで少しだけ動かしてみた。

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リップルフィルターの動作確認もかねて 6C33C-B ひっぱり出してきて通電確認。とりあえずプレート電圧 172V、バイアス -60V で電流流してみた状態で確認です。aitendo のパネルメーターは 150mA あたりを指してます。データシートでは 200mA 程度流れるはずの動作点ですが、バラツキ激しいタマらしい(NOS でもないためエージング状況も不明な)のでこんなもんかも知れません。

  • AC 入力 135V(145V で巻いてもらった巻線のタップ)
  • ブリッジ整流後 183V
  • 抵抗で分圧したリファレンス電圧 179.6V
  • DC 出力 172.6V

試しに使ってみた FET は STP4NK60Z です。Vgs 7V 程度。データシートもそんな感じのグラフでした。合計約10Vドロップして、 300mA 流したとして 3W 程度の発熱。

最初はリップルフィルタのヒートシンクの熱くなる加減を見たかったのですが、写真に写ってるミニチュア管 12AX7 の何倍もある大きさなので真空管のヒーターの輻射熱もハンパじゃない状況。リップルフィルターのヒートシンクは、4.2℃/W のちょっとフィンが多いめのやつを投入して。これならいけるでしょう。というのを少な目の電流で確認したかったのですが、ヒートシンクが真空管の輻射で熱くなっちゃって調べるどころではありませんでした。というのが今日のオチ。まいった。本番のシャーシ組むときも輻射熱考えんといかんなぁ、と。単品では問題ないのですが、発熱するのもの同士が近くにあると、お互いに暖めあうのでさらに温度が上るためです。炭がいこるのと同じ感じ。ちなにみ、写真に写ってた 12AX7 も片付けるときも熱くなってました。そのなんというか自分のヒーターで暖まる以上にです。

リップルフィルター基板出来た

リップルフィルター基板来ました。今回の終段は 6C33C-B なので 180V くらいで 300mA 程度流す都合と、こんだけの部品をラグ板につけるのイヤやったので基板にした次第。

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基板は、高電圧でもいけるよう 150mm x 50mm と大きめに作ってあります。ケミコンの大きさがね、電圧高くなれば大きくなりますが、結構同じメーカーでも仕様で大きさはマチマチなんで基板は無駄にデカくなっています。ヒートシンクはクリップ型で幅50mm のを付けています。

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昨日作った真空管ブレッドボードが(改)になった

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結構時間かかってしまいましたが、2代目真空管ブレッドボード完成。昨日の記事からの変更点は以下のとおり

  • リップルフィルターに手持ちの 300k 半固定抵抗を追加して、出力電圧を変更出来るようにした。
  • 出力電圧が変更出来るようになると FET の発熱も気になるため、 4.2℃/W のクリップ式ヒートシンクに変更
  • MT 9 ピンソケットを追加して 2 本対応にした。

真空管ブレッドボードに搭載したリップルフィルターの回路は以下のとおりです。定数は手持ち部品の都合などのため結果的にこうなってしまったというやつです。(もしこの回路を参考に組まれてアンプに組み込む場合は、半固定抵抗+15k の分圧抵抗の計算をして半固定抵抗を使わないようお願いします)

TubeBreadoard

真空管ブレッドボードに B 電源が追加されました

IMG_0139

真空管ブレッドボードに B 電源追加しました。平ラグに部品付けましたが、なんと申しますか地味に面倒臭いですなぁ。このへんは基板化したいとこですな。FET がソケット化されているのは、別の FET の VGS 確認とかでとっかえひっかえするためです。

ADS00006
ADS00005

ハードコピーが小さくてすいません。オシロの画素サイズがこれなので仕方ありません。負荷に 100k/3W の抵抗を3つパラにして約10mA 流した状態で測定しました。上側は、ブリッジダイオード + 47μF の FET 入力前のリップルの様子。下が、 FET 通過後の様子。リップル取り除けています。ハードコピーでピーク 9.6mV などありますが、蛍光灯つけると 60mV が測定されたりするためブレッドボードでノイズ拾ってますかね… 結果は、前回の記事で作った表計算の結果と大差なかったので問題ありませんでした。

  • 分圧の抵抗 15kΩ : 1MΩ
  • 基準電圧のコンデンサ 4.7μF(時定数 2.2秒)
  • AC IN 244.5V
  • DC IN 333V
  • DC OUT 322.4V
  • ドロップした電圧 10.6V
  • FET 入力前のリップル 1.84Vpp

電源も実装出来たので、ミニチュア管の実験が出来るようになりました。

リップルフィルター検討2

RippleFilter20140328

大雑把なレンジでどれくらい電圧がドロップするかなどの確認をするために300, 350V あたりならこんなもんかなという表計算を作成。ブレッドボードの実験では、電圧 300V くらいあれば十分なので、リップルフィルタでの電圧ドロップは 10V 程度でとりあえず実験してみたいと思います。

ドロップさせる電圧が低いことと、12AX7 や 12AU7 でちょこっと試す分には電流も要らないので FET の放熱も気にしなくて良さそうです。

6C33C は電圧はまだ決めてませんがアイドリング 300mA 程度流す予定なので、上の表の電圧低いほうにあわせて表計算のパラメタをいじって決める予定。FET の発熱は 3W 程度になりそう。シャーシ内 40℃ くらいで放熱板の温度 60℃ くらいと仮に決めたとした概算で 5℃/W 以上の性能のヒートシンクが必要になりそうです。数百円クラスの放熱板になるのかなぁ、ちょっと通販見てみよう…

実験で使う FET は手持ちの FQPF3N90 使いますけど、本番というか 6C33C 用のリップルフィルタは今のところ STP4NK60Z がいけるか試す予定。

リップルフィルター検討

RippleFilter_01

電源のリップルフィルターを検討。検討と申しましても実用回路のため Web サイトにも数多く紹介されているものです。

上の回路は余分な部品を記入していますが、基板作るならこれくらい載せられるようにしとこか。という程度の回路。

  • R1 電源切ったときのコンデンサ放電用(不要であれば省略)
  • D6 の逆流保護ダイオードは不要(大抵 FET に内蔵されているため。スルーホールは空けとく)
  • R2, R3 分圧した電圧が MOSFET のゲート電圧になる、これが基準電圧。使用電圧にあわせて分圧比は計算必要です。( FQPF3N90 は5~6V のゲート電圧でドレイン電流が十分流れるのでそれだけ出力電圧はさらに下る)
  • R4, C2 基準電圧の立ち上げ。時定数を長くすると出力電圧の立ち上がりもゆっくりになる。(初段と2段目を直結してる時は、2段目のグリッドにかかる電圧をゆっくり上げられる) 上の例では時定数約11秒なので実際には30秒くらいで落ち着く感じかな?
  • ZD1, ZD2 ゲート、ソース間の保護用ツェナーダイオードが内蔵されていない MOSFET の場合は外付けする
  • 200V クラスで使うのか、300V クラスで使うのかで抵抗のワット数やコンデンサの耐圧などに注意すれば OK

てな感じですかね。

基板化しようと思うと

  • 整流ダイオードのパターンを 400, 500, 600mil でスルーホールあける
  • ブリッジダイオードは形状がいくつもあるので対象外にする
  • コンデンサも電圧で足のピッチがずいぶんと変るので、大・中・小のパターン必要?
  • ヒートシンクも 5~6k/W くらいのを添付しとくか

などの面倒くさい項目がたくさん出てまいります。