Dual-84 CPUボード

共立電子のネット通販にて売り切り終了 550円で投げられていた TMPZ84C015BFC-8 が実装されたボードです。クリスタルは 19.6608MHz システムクロックは 1/2 なので、9.8304MHz で動作するボードです。表面には CPU と ROM のソケットがあります。クロック周波数的には少しオーバークロックですかね。

裏面には SRAM CY62256NLL-70SNXC という SRAM が実装されていました。Z80のメモリアクセスのタイミング的には大丈夫かなと思います。

とりあえず BASIC が動けばいいやというところですが、ブレッドボードに貼り付けたかったので。ヘッダピンが下向きに出ているのを逆向きに付けなおしました。クロック周波数は RC2014 などで使われている 7.3738MHz(クリスタルは倍の 14.7456MHz) に交換しました。この周波数だと一応実装されているCPUの定格内なことと、シリアル通信でシステムクロックをSIOで 1/64 分周すれば CTC を使わずに 115.2kbps の速度が出せます。

CPUボードはブレッドボードに貼り付けボスを使って固定。シリアルインタフェースは秋月の FT232RL のモジュールを使用しました。これは6ピンソケットのシリアルインタフェースでもいけます。TXD/RXD と RTS/CTS をクロス接続しています。DTR/DCD 端子は使わないのですが、SIO の動作には必要なので自分自身で折り返し接続です。SIO のクロックはシステムクロックのピンから  7.3738MHz を供給します。9600bps などのボーレートで通信する場合は CTC の出力からクロックを供給します。(後で紹介するサンプルは 9600bpsの例をコーディングしています)

HALT 端子にLEDと電流制限抵抗を接続して HLAT したことが分かるように。

リセットボタンのタクトスイッチ、PIO A/B にTD62083 シンクドライバを接続し、その先にアノードコモンの8桁LED基板を接続しました。

電源スイッチは、FT232RL の USB ケーブル抜き差しが面倒だったので付けました。最近の Teraterm は USB が抜けてシリアルが切れても USB させば自動復旧するので、スイッチは必須ではないですかね。

開発環境は、VSCode に TASM_Assembler プラグインを入れただけです。このプラグインのディレクトリに TASM.EXE が入っています。面倒なので開発するフォルダに EXE と TAB ファイルをコピーして使っています。build.bat を作っておけば CTRL + SHIFT + B でビルドしてくれます。コマンドラインは

TASM -80 -fff -s D84CPU-CP-BASIC.asm D84CPU-CP-BASIC.hex

という感じで -80 はターゲットが Z80、-fff は空いた領域を 0xFF で埋める。-s はシンボルリストも作成する。後はソースファイル名とhexファイル名を build.bat に記述する感じです。

BASIC は http://searle.x10host.com/index.html Grant Searle さんが 移植したものです。レトロコンピューティングではスタンダードな BASIC です。

ただ、BASIC の入出力のシリアル通信はマシンごとに違うため各自用意する必要があります。オリジナルは 68B50 のシリアルチップなので流用できません。Z80 SIO用を書かねばなりません。AKI-80 用に公開されているものでいいのですが、ここは頑張って自分で用意しました。

クロックを CTC で分周し、SIOのボーレート 9600bps 版のソースは https://github.com/ngc6589/Z80Learning/blob/main/D84CPU-CP-BASIC.asm に置いてます。SIO は送受信ともステータスアフェクトベクタを使用した割り込み制御にし、Z80 の割り込みモードはモード2です。受信のハードフロー制御もいれてあるので、Teraterm からプログラムの貼り付けもTeratermのディレイ設定なしでいけてます。

今回は BASIC が動けばよかったのでこれ以上のことは予定なしですが、本来ならモニタROMを用意するのがいいかなと思います。手持ちにモニタROM付きボードなどもあるので、この CPU ボードは一旦ここまでということにします。

7119 PP アンプを ECC99 に変更

先日作成した 12AX7 + 7119(E192CC) のプッシュプルアンプですが、ネタついでにタマを 12AX7 → JJ ECC832、7199 → JJ ECC99 に交換しました。

ECC832 は ユニット1が 12AU7 ユニット2が 12AX7 の複合管です。ECC99(12BH7) は 7199 よりも最大定格がユニットあたり4.5Wから5Wになってますが、特性は似ていることとECC832,ECC99共に現行管なのでヨドバシとかでも買えます。

  • 7199(E192CC) と ECC99 のピンアサインは異なります。真空管ソケットの配線繋ぎ変えないといけません
  • ECC832 のピンアサインは 12AX7 と同じですが、ユニット1が 12AU7 なので、こちらも真空管ソケットの配線確認が必要です。

今回は差し替え運用が目的でしたので、回路の変更はありません。真空管ソケットの線をつなぎなおして動かしています。タマは変わりましたが基本変更ないので問題なく音出し完了しています。

7119 は購入難易度高いのでこっちがいいかな。

7119(E182CC) プッシュプルアンプ製作

購入日は忘れたのですが、名古屋のボントンさんに立ち寄ったところジャンク真空管コーナーに 7119 がありました。こういうのはとりあえず確保する対象でございます。これ使うならプッシュプルかということで製作いたしました。

アンプ部分の初段は 12AX7 の増幅と PK 分割。終段は 7119(E182CC) プッシュプルでトランスはアンディクスオーディオオリジナルトランス 6608P を使用した構成です。電源はゼネラルトランスPMC-100M を使用し、6CA4 整流管から10Hチョークを経てCRリップルフィルフィルタでつくりました。

回路図はクリックすると大きく表示されます。手持ちの余っている部品の都合で、コンデンサの容量が大きかったりします。

画像はクリックすると大きくなります。7119 のロードラインは、アウトプットトランスのインピーダンス 8k なので、4kと8k の線を引いてみて定格超えないかをざっくりチェック。B電源180V 位でトランスのドロップ引いてで175Vあたりとしてグリッドバイアス-5Vあたりがでてきました。このあたりで行きましょうという感じです。

シャーシは、共立電子・千石で売っている富士シャーシです。安くてたすかります。アルミがペラいのでシャーシとしては弱いですが、まぁそれでもこの手のアンプには十分です。対角線を持つようなことさえしなければ問題ありません。

電源スイッチやヒーターの配線をした後に、回路部分のボードを付けていきます。今回はタレットボードライクな基板を作成しそれに部品を付けて配線しました。

マックエイトの端子が余っているので、これを使うように1.6mmのスルーホールの穴をあけた基板を作って、必要なところに端子を差し込んで配線します。端子の高さがもう少し高ければよかったのですが、本家キーストーンの端子にはかないません(笑)

休日の間に動くかどうかだけは急ぎ確認したかったので、配線はやっつけです。

入出力特性です。私の手持ち音楽ソースはポータブル機器なので高感度仕様になっています。出力はおよそ1.5W手前が限界ですかね。でも十分な出力が確保できています。

周波数特性です。ゲインは 33dB です。50kHz 付近にこぶが出来てますが、発振にはなっていないので、12AX7 の直結部分に zobel フィルタを入れて高域を落とすなどの対処はしていません。

電源投入して、電圧チェック後軽く試聴。スッキリした感じの出音でした。真空管アンプなので鳴りっぷりは個性です。このアンプは鳴らしっぱなしで使用しても疲れない感じのいい感じにできました。完成してよかった。

6AS7G OTL ヘッドホンアンプの製作

大須のボントンさんの真空管ジャンク 6AS7G (購入価格1000円) を使ってヘッドホンアンプを作りました。初段の 6DJ8 もボントンさんのジャンク球です。

回路構成は、初段 6DJ8 で増幅して終段の 6AS7G に直結。カソードフォロワの抵抗に発生した信号をコンデンサカットでヘッドホンに出す形です。

シャーシは家にあったアルミシャーシを使ってしまおうということで、縦横どちらがいいか物を置てみて検討。結果冒頭の写真にあるような配置になりました。

作った後の、周波数特性と入出力特性です。33Ωの抵抗負荷でゲインは8~9dB となりました。左右1dB弱の差はありますが、普通に聞く分にはわかりません。中の配線を整理する際に片CHに調整用半固定を入れるかもという程度です。AKG Q701 のオープンエアなヘッドホンも十分鳴っていますので出力は問題ありません。

周波数特性は 3Hz ~300kHz あたりまで伸びてしまいました。不必要な周波数帯はカットするべきというのもありますが、今の所このままの予定です。

入出力特性は、6DJ8 のグリッドバイアス 1.1V になっていますので、そこらへんまではリニアに伸びていきます。33Ω負荷で 0.1W くらい出る感じです。8Ω負荷換算すると計算間違ってるかもですがおよそ1Wです。ヘッドホンには十分な出力です。

3C30 シングルアンプ完成

3C30 シングルアンプの作成1という記事で着手しましょうという旨を書いたのですが、それから丸2カ月経過してしまいました。現在の進捗ですが音出し完了しております。以下製作途中の写真などとともにコメントをいれておきたいと思います。

まず、前回の記事で LTSPice を用いた簡易的な直流回路の設計を行いました。あれから何回かやり直した結果、最終組み上げたアンプの回路図は以下の通りです。クリックすると大きく表示されます。

3C30 ロードラインは B電圧 360V 程度、14kΩ 負荷、グリッド電圧16Vあたりでプレート電流 40mA としました。前の記事とは微妙にずれましたがほぼ誤差の範囲なので最大出力 4W 程度という見積に変更はありません。また、6SN7 / 6V6 バイアス電圧見直しの結果6SN7/6V6のB電圧は変更しました。

回路自体はコンデンサカットで段間つないでいるため特筆するところはありません。B 電圧も手元にあった JJ GZ34S を使用した一般的な整流回路となっています。ただ、B電圧調整のため、チョークインプット状態で組み上げ、整流管につなぐキャパシタの容量を徐々に増やして希望の電圧を得るという手法で調整をおこなっています。コンデンサインプットよりかは残留リプルが出やすくなりますので、後ろのリップルフィルタの電解コンデンサは盛っています。

3C30 は直熱ハイミュー三極管ですので直流点火いたします。ヒーターが 5.6V / 2.5A と電流が大きいためブリッジ整流後のキャパシタを増やしても残留リプル除去は厳しい状況。先人のアイデアをお借りし秋月電子から販売されている 「TPS7A4700使用 超ローノイズ・プログラマブル可変電源キット」を用い、これに電流ブーストトランジスタを取り付けることで 5.6V の出力電圧設定とリップルフィルターとしました。電流ブーストのトランジスタは発熱するためシャーシに取り付けて放熱することが必要です。とはいっても、基板のディップスイッチで電圧設定ができるため非常に便利であります。

電源トランス、出力トランスなど部材がそろったので、レイアウト案を検討。何パターンかやってみて気に入った案を決めます。

レイアウトが決まったら、穴あけとスプレーを吹きます。

ヒーター回りを配線し、あとは回路部分を組んでいきます。

一通りの配線を行い、通電してみるところまで。テストを行い問題なさそうなのでシャーシを起こします。

ということで完成。

無帰還の特性です。シミュレーションでは 40dB 程度と踏んでいましたが 右 44dB 左 42dB となりました。このままでもいいですが負帰還かけた状態にします。

負帰還をかけて 34dB のゲインといたしました。

入出力特性は -20dBV(100mV) で 4W ですね。グラフ的には 5W 出ますが横這いになっているのでここら辺が限界ぽいです。もっと直流流せる出力トランスを買えばさらに出力アップは狙えますが財布も情熱も足りないのでここら辺でいいとします。当初決めた動作点で試算した 4W 程度の結果が出ていたので正解です。

まだ短い時間ですが使用してみた感想、音源による得手不得手はないアンプに仕上がったと思います。帰還効いてる加減もあり、パンチあるボーカルとか響く弦とかは言いませんが、十分良く鳴ってくれるいいアンプになりました。

B電源のドロップに使用している抵抗の発熱が大きいのかして、ちょっとニオイがします。これは経過観察して今後の対応を決めたいと思います。

3C30 シングルアンプ作成1

関西ハムシンポジウム2020にキットの他 SONY スカイセンサーのラジオを出展していました。当日は残念ながら売れなかったのですが、後日隣のブースに出展されていた方から連絡があり、やり取りの結果スカイセンサーのラジオとこの真空管が物々交換され我が家へやってきた次第。

やってきたタマはハイトロン3C30というやつで送信管です。ヒーター 5.6V/2.5A な直熱三極管でプラスバイアスで動作させます。

LTSpice のモデルを作成して、超えてはいけないプレート損失を赤線で、10k と 14k の負荷線を 350V/40mA の動作点でプロットしてみました。Ep-Ip のグリッド電圧は -5, 0, 5 のように 5V 間隔でプロットしていますので、プレート電圧 350V/ 40mA のときのグリッドは +15~+20V のあいだ(18Vあたり)になる感じです。

3C30 のドライブには 6V6GT のカソードフォロワでいきます。春日無線変圧器 4B-20MA を使用します。これの抵抗分は965Ωらしいので、20mA いっぱいですが 3C30 のグリッドバイアスがとれます。ここは現物あわせで調整する予定のところです。

前段は 6SN7 2段増幅です。ここは特に特筆するものはないですかね。今時点のざっくり回路は以下のようになります。

1段目の 6SN7 グリッドバイアス 3.5V / 3.3mA 。
2段目 6SN7 グリッドバイアス 6V/2.3mA
3段目 6V6GT 18.5mA でカソードチョーク17~18V。
3C30 のグリッドバイアスは 6V6 のカソード電圧でプレート電圧 350V あたりで動作

となれば、6V6 のカソードチョークがパンクしなければ調整個所少なく組めそうな雰囲気であります。回路図帰還抵抗100k は帰還しないときの確認でわざとおおきくしてあります。実際にはもっと小さいです。

動作点から±15V 振ったとして 740V-60V=680V 電流60mA-12mA=48mA ワット=680*0.048/8=4W が仮決めした動作点の最大出力の目安になります。十分かなと思います。

タマは揃っていますがトランス類がまだです。トランスが届けばバラックで組んでみたいと思います。

46 シングルアンプ製作2

前回投稿から間が開きましたがアンプは完成しています(;´・ω・)

富士シャーシに取り付けするべく配置検討中。まぁこんなもんでいいでしょうということで、加工開始

ボール盤とニブラーで穴あけします。スプレーを吹くのでペーパーをかけました。写真はペーパーがけしたところのものですが、もっとがっつりやった方が良かったと後から反省。

門扉用つや消しスプレーを吹いて、だいぶ乾いたところ

下手っぴなので、ハラワタはあまりお見せしたくありませんが、こんな感じで配線をしました。

ひとまず完成いたしました。

f特は 20Hz ~ 30kHz です。以前作った 71A シングルより出力に余裕があるのでいい感じに仕上がりました。

46 シングルアンプ製作1

以前の記事で、46シングルアンプの初段・終段・電源まわりをこんな感じで作ろうというところまでやりました。今回は MDF 板にバラック組みして動作点とか確認してみようと思います。

電源周りです。トランスの 280V 巻き線を整流管で両波整流したあとリップルを取り除いて、46 の動作点例 プレート電圧 250V グリッド -33V プレート電流 22mA × 2本が確保できたらいいです。が、トランスから作る電源は、トランスから取り出す電流が増えると電圧が下がる。整流管も流れる電流が増えると電圧降下の電圧値が変わるため、ここは作ってみて調整するという感じです。

チョークインプットのリップルフィルタだとトランスの巻き線に近い電圧が出るというのをどこかのサイトで見た記憶があったので、チョークインプットの回路を組んでみました。

イメージというか、実験したのは上記回路です。150Ωと 100μのフィルタ三段です。余分に 100μ つけていますが、パーツボックスにあったので付けちゃいました。フィルタは計算サイト100Hzで-19dB(0.11倍)程度取り除け、それが3つなので0.11*0.11*0.11=0.0013 でおよそ100分の1になります。手前にチョーク+100μ入っているのでリップルは十分取れる感じです。

この回路に電流流したときのDC出力は 228Vと低い状態でした。思いの外チョークがリップルを全力で取るために電圧降下があったぽいです。この対策は後で行ないます。

次に、前段・終段のカソード抵抗やカップリングコンデンサなどを載せたラグ板を作りました。今回真空管ソケットに部品付けない方向でというやつです。

出来るだけパーツボックスにある部品を使用している関係で、段間コンデンサ1μとか大きいものを使っています。実際には 0.1μで十分です。ここから配線して初段の 6SL7(6SL7WGT)が動くか確認。

6SL7 の回路は消費電流がほとんど無いので、トランスからの電源だと無負荷400V近く出るため電源装置を代わりにつけて確認しています。バイアスの電圧など確認してOKでした。

入力に 1Vpp 入れて 90V弱出ているので十分増幅されていました。

46の終段も配線してひとまず音出しは OK。

ここで最初に言ってた 228V の電源電圧を上げる調整をします。整流管から出たリップルをチョークコイルがあらかた取り除きますが、その分みかけの抵抗は大きくなって電圧下ります。チョークコイルに入るリップルを減らすとチョークコイルが楽になり電圧上ります。整流管とチョークの間に小容量のコンデンサを入れてどうなるか確認。手持ちの 0.47μと1μでやってみたところ 0.47uF を入れて 234V 。 1uF 入れて 270V になりました。 270V の時の 46 のプレート電圧 266V、カソード抵抗 31.8V (20mA) だったので、データーシートの推奨動作点に近くなったので、これでいいやと電源まわりも確定としました。

回路はこんな感じになりました。整流回路のリップルフィルタが多いのは当初考えてたチョークインプットの名残りですがラグ板に組んでしまったのでそのまま使用します。あとは苦手なシャーシ加工を残すのみです。。。

次の真空管アンプは 46 シングルになりました

何年か忘れましたが、関西ハムフェア北神電子サービスさんのご主人さんから買いました。(おいくら千円で買ったかも忘れました)そのまま、真空管箱に放り込んだままでしたが、最近作っていないので、またぼちぼち作り始めようかと引っ張り出してきたところ。

46 は 4極管なので、スクリーングリッドをグリッドにつなぐと B級プッシュプルで使えるようになり、スクリーングリッドをB電源側につなぐと、いわゆる3結動作になります。今回2本しか所有していないので 3結接続A級シングルアンプ構成になります。

真空管(Electron tube) 規格表データベースさんに掲載されている 46 のデータシートでは、

  • プレート電圧 250V max
  • グリッド電圧 -33V
  • プレート電流 22mA
  • 増幅度 5.6

が動作例で示されています。ということなので終段の 46 は基本このままいこうかなと思っています。一応7k負荷のラインは引いてみました。

360V – 110V = 250V
0.057A – 0.007A = 0.05A
0.05A / 8 = 0.00625
250×0.00625= 1.56W 程度。実際には1ワッターいうくらいになりますかね。LTSpice で直流回路のあたりをつけたいので、モデルファイルの準備します。Ayumi’s Lab. さんの Spice モデルを利用させてもらっています。

LTSpice で 46 のモデルを取り込みまして、EP-IP 特性を書かせると pdf のグラフと合いませんでした。B級の特性で作成されているようでした。

Ayumi さんの手順(統計ソフト R を使ったモデル作成)に従って、3結特性をプロットさせ、それをモデルファイルとして出力させて再度 LTSpice で特性図を描かせてみました。

LTSpice でもそれっぽく出ましたので、ひとまず OK ということに。

終段は、バイアス電圧とプレート電流の関係からカソード抵抗 1.5k は出ますのでこのままで。

前段は 6SL7 増幅 + 6SL7 カソードフォロワでいいかなと思い1回目の回路を引いてみます。

抵抗値は、適当です。初段バイアス 1.6V前後。次段バイアス 2V 程度(カソード電圧は 140-150Vあたり)になりました。実際に配線するときは、カソードフォロワ側のヒーターはバイアス必要となります。シミュレーションの結果増幅度は 34dB(50倍)位。携帯機器からの小出力な機器では 46 のバイアス -33V 中心にフルスイングさせるには微妙な感じですがライン出力ありの CD プレーヤーなどは十分かなというところ。46 も増幅度あるので、ここはこんなもんでいいかな?ひとまず仮確定です。

次は電源ですが、買った電源トランスの2次巻き線の最小電圧が 280V からです。これを整流して得られる電圧がいくらくらいなるか LTSpice で見てみます。

手持ちの整流管は傍熱管 GZ34、直熱管 5R4GY(B) で、LTSpice では、10mA から 100mA まで 10mA ステップで負荷を変動させたときの出力電圧グラフを見て検討します。

GZ34 は高率が良くドロップ電圧も引くく50mA としたときの電圧は約340V になりました。

5R4 モデルで計算したとき 50mA 負荷でおよそ 310V の電圧となりました。前段、終段とも 300V も要らないので、ドロッパ抵抗の発熱を控えめに出来る直熱整流管を使用する方向にしたいと思います。

次の記事以降でばらばらに検討した回路をくっつけたいと思います。