GM70 シングル 前段まわりを整理する

前の記事でリップルフィルターの出力電圧の傾向がわかりましたので、6SL7 と 6SN7 の動作点をエイヤで決めてしまいます。

6SL7ロードライン

6SL7 は 0.5mA 程度で動くよう設定しました。電圧 240V と仮定して 0.5mA ですからプレートの負荷抵抗は 480k とでますが 470k の抵抗を使用します。バイアスは -1.5V くらいにしようと思いました。グラフからそのときの電流は 0.3mA でしたのでカソード抵抗は 5K と出ました。今回は 4.7k + 帰還を入れる 100Ω = 4.8k としています。

6SN7ロードライン

6SN7 は 12mA 程度で動くよう設定しました。電圧 358V と仮定して プレートの負荷抵抗は 30k です。 バイアスは -6.6V くらいにしようと思いました。グラフからそのときの電流は 5.7mA でしたのでカソード抵抗は 1.2K と出ました。6SN7 はパラで使うので、実際の抵抗値は 1/2 になります。

ということで、ブレッドボードに回路組みまして動作確認開始です。

2016-03-26 11.58.45

6SL7 のカソード抵抗の電圧は 1.45V、 6SN7 のカソード抵抗の電圧は 7.23V でした。6SN7 は思いのほかズレていますが OK とします。
なんで OK としたかは 6SL7 を測ったときの AC 入力は 99.8V だったのですが、6SN7 を測ったときは 103V になっていたので、トランスの2次側 280V の巻線出力が 103V – 99.8 = 3.2V * 2.8 = 8.96V 上昇したので、動作点が少し動いたと判断しています。

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6SL7 の増幅回路は 1Vpp 入れて 40Vpp 出ました。40倍 32db です。

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6SN7 の増幅回路は 10Vpp 入れて 162Vpp 出ました。 16倍 24db です。

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6SN7 – 6SN7 の全体のゲインを確認しました。 280mVpp 入力で 170Vpp でした。170 / 0.28 = 607 55.7db の結果です。

GM70シングル リップルフィルタの電圧確認

2016-03-21 12.55.43

一つ前の記事で、初段用のリップルフィルタを作ったと書きました。リップルフィルタは安定化電源では無いため負荷によって電圧が変ります。家にある中華電子負荷は 360V 以上は使えないので、ワット数の大きい抵抗を引っ張り出してきてブレッドボードに並べて一本ずつ抵抗負荷を増やしたときの電圧が何ボルトになるか確認しました。280V – CT – 280V 0.1A の巻線を両波整流したのがリップルフィルタの入力です。

ということで下の表がその結果。初段 6SL7 は 0.5mA 程度のプレート電流。6SN7 はパラで使用し 24mA のプレート電流あたりかなぁとざっくり考えています。ステレオなので、2倍した合計は 49mA 程度なので、6SL7 の B電源は 240V くらい、6SN7 の B電源は 358V 程度になる見込です。これで電圧の目安がわかったので 6SL7 と 6SN7 のロードライン引きたいと思います。

抵抗(k) 合成抵抗(k) I(mA) B1(V) B2(V)
75 75.0 5.0 376 252.8
75 37.5 10.0 374 250.9
75 25.0 14.9 372 249.1
75 18.8 19.7 369 247.9
75 15.0 24.5 367 246.4
75 12.5 29.2 365 245.2
68 10.6 34.5 364 244.3
68 9.1 39.7 363 243.0
68 8.1 44.7 360 241.9
68 7.2 49.7 358 240.4
68 6.5 54.8 357 239.2
68 5.9 59.7 355 238.5

GM70シングル リップルフィルタ作成

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終段のGM70 は B 電圧1000V くらいなのですが、初段と2段目に使う真空管は 6SL7(定格300V), 6SN7(定格450V) なので終段用の B 電源からドロップさせるのは面倒です。6SL7, 6SN7 用には普通にダイオードで両波整流した電源にリップルフィルタを入れることにしました。なお、日本橋に買い物に行くのも面倒だったので、家にあるもので組んでいます。

AC 280V を整流して 280 * 1.41 = 394.8V
リップルフィルタ1段目の分圧抵抗 394.8V * (33k / (1M + 33k)) = 12.6V FET(FQPF3N90) の VGS を 5V と仮定して 394.8 – 12.6 – 5 = 377.2V
リップルフィルタ2段目の分圧抵抗 377.2V * (470k / (1M + 470k)) = 120.6V FET(STP4NK60) の VGS を 5V と仮定して 377.2 – 120.6 – 5 = 251.6V

2段目の分圧抵抗 1M + 470k は抵抗値は高いのでもうちょっと抵抗値の低い組合せにかえたいところです。

実測は写真のように、リップルフィルタ 379V、リップルフィルタ2段目253V でした。電流流すとトランスの電圧が下るので回路組んだときはこの値から数V程度は下る見込です。

FET の電力も見ておきます。
リップルフィルタ2段目は 6SL7 で使います。仮に各ユニット 2mA 使った場合最大 4mA × 2本 = 8mA になります。 FET で120.6V ドロップするので 120.6V * 8mA = 約1W
リップルフィルタ1段目は 6SN7 で使います。仮に各ユニット 10mA 使った場合最大 20mA × 2本 = 40mA これにリップルフィルタ2段目の 8mA が追加になって 48mA になります。FET で12.6V ドロップするので 12.6V * 48mA = 約0.6W です。今回は 13℃/W の放熱器を FET に付けて様子見したいと思います。

RCA 866A のキャップが取れた

一つ前の記事で青く光っていた 866A の水銀整流管は amc ブランドの球でしたが、整流管なので寿命も長くないのでは?と思い保守部品として RCA の 866A も入手しました。

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ガタツキなどないかなーと触っていましたらアノードというかプレートのキャップがポロリ。幸い、リード線は問題なかったので着け直すことに

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キャップのハンダをハンダ吸い取り器で吸います。リード線が通るところが出てきました。

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ガラス面の汚れを落して今回はエポキシ接着剤で固定しました。高温になって接着剤が溶けるようでしたら、貼り直ししたいと思います。

GM70シングル 机の上で仮組み

2016-03-06 20.11.24

今日の進捗。MT 管仕様の真空管ブレッドボードをバラして GT 管仕様に変更。これが午前中に終ってしまったので、エイヤとばかりに終段まわりの直流回路だけ作成。これは電圧チェックが終ったらバラす予定のものです。

最初は水銀整流管のヒーター電源を投入します。電源投入後しばらくの間は蒸発した水銀が冷たい管壁について鏡みたいになります。もうしばらく置いておくと温度も十分あがって管壁の水銀も蒸気になって鏡みたいなところが無くなります。ここまで来たら、B電源投入 OK です。

GM70 のヒーターはスイッチング電源で点火します。トリタンフィラメントが電球のごとく輝きます。直熱三極管なのですぐ立ち上がります。

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B電圧のトランスにはスライダック付けて調整出来るようにしてあります。B電源用トランスのスライダックを調節して B 電圧 1000V くらいにしたときカソードの抵抗 100V 出ている状態でした、もう一本のほうは 94Vくらい。データシートから大幅にズレているような感じはありませんでした。まぁまぁいいんじゃないでしょうかと思っています。

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水銀整流管にちょっと寄ってパチリ。手前側の球はプレートキャップが緩んでエポキシ接着剤で固定しなおした球です。にしても、この妖しい輝きはたまりませんなー

平成27年の確定申告なんとか出せた

2月29日に私用で休み連絡をしてあったので、2/27 – 2/29 の 3 連休になるはずが、2/26(木) 午後客先で火の粉がくっつく。そしてそのまま炎上、2/26-27夜間作業、15時一度退散。風呂って再び 2/27-28夜間作業。明けで速攻で新幹線とびのって大阪に帰りますも徹夜明けのため即仮眠取得。夜は梅田で飲んでまた寝る。2/28 は二日酔いと移動疲れのコンボでダウンしてたら、あっというまに2/29(月)になってました。

去年の中頃に会計ソフトを弥生オンラインからFreee に乗り換えしていたので、朝から確定申告書に出る数字、年またいで入金された金額が多かったりいろいろあって一発で完成せず、明細確認の繰り返しでやっとのことで、つじつまあわせ完了。そのまま税務署いって紙提出と税金も払ってきました。

真空管アンプやってる時間が取れなかったね。残念。

GM70 シングル: ヒータートランス到着とカソード抵抗準備

2016-02-20 11.22.03

ヒータートランスと、B電源用トランスが届いてしまいました。ヒータートランスで必要な巻線は 1.25V – CT – 1.25V の巻線です。これは、水銀整流管のヒーターに必要です。これだけだと寂しいので無駄に 5V や 6.3V などの巻線も入れてもらってたりしていますがここらへんは適当です。B電源用トランスも同様に必須で必要なのは 800V – CT – 800V の巻線です。ただ、これだけだと寂しいので、280V – CT – 280V を巻いてもらいました。先日買ったトランスは B電圧低め設定を試す用に取っておきたいと思います。

自己バイアスか半固定バイアスのどっちにするかは決めていませんが、今回 GM70 のカソードにはカソード抵抗を入れる方向で考えています。電流 80mA 程度、100V くらいを考えているので、1.2k の抵抗を入れてみる予定。8W 程度の発熱があるので 50W メタルクラッド抵抗を通販でポチッとなしました。もっと小型のもありますが値段安いのを購入した次第。50W なのでヒートシンクに着けなくても耐えられるのですが、一応着けておくにしました。

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6C33C シングル作ったときに買ってあったリップルフィルタに使うヒートシンクが丁度良い大きさだったので、こいつに穴を開けて、タップ立ててぇ

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ヒートシンクの都合で、抵抗の一部をちょっとカットしてぇ

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抵抗を仮止めしてみて良い感じなことを確認しました。このヒートシンクの熱抵抗は 5.7 – 2.2 K/W なのでそこそこ放熱してくれそうです。また、このヒートシンクの底には M3 の幅でスリットが切ってあるので、シャーシに適当に穴開けしてネジ止めすることが出来るので便利です。

秋葉原で真空管アンプの部品を買い物しにいってきました。

2016-02-11 14.49.31

早めに欲しいパーツを求めて結構あちこちうろうろしました。今日は三栄電波さんでコンデンサを購入。

電源回路を作るのに必要なコンデンサです。今日買ったのは 22uF/1200V のと 47uF/1200V のコンデンサです。横に見えるのはコンデンサに溜まった電気をゆっくり放電するための 5W 抵抗で千石電商さんで購入しました。470k と 840k をひとまず購入しています。

あとは絶縁ポストも購入。これは、ひょっとしたら役に立つかもレベルで購入していますので、実際に活用できるかどうかは不明。

GM70 シングルアンプ 6SN7 などの部品も少しづつ購入

2016-02-06 10.52.14

先日の記事で電源トランスを買うと言っておりました。通販で注文して届きましたのが PT-240 の電源トランスです。当分の間バラックのまま整流管の動作確認などに使う予定。GM70 終段だけのユニットテストであれば組める見通しが立ってきました。(電源のコンデンサなど追加部品は必要ですが…)

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アンプの初段は 6SN7 2段増幅でいけるんじゃね?的考えで、東京真空管商会にて TUNG-SOL 6SN7 を購入してきました。プレート電圧 300V くらいが定格なので、終段の電源とは別に考えてあげないと行けなさそうです。

2014-03-30 12.52.31

とりあえず真空管ブレッドボードに付いてる、2年くらい前にデジットで買った、220V /0.12A 6.3V/2A くらいのトランスで2段増幅回路は実験出来そうなので、これはこれでそのうち実験したいところです。この2段増幅では軽く帰還かけておいて、終段は帰還なしでいこうかな?と思っているところです。