Nutube のデータシートを見ますと、アノード電圧の定格は 80V とあります。特性図はもっと高い電圧も測定されていますので、もっと高い電圧をかけてもこわれることはないと思いますが、一歩間違えると蛍光体を焼いてしまいそうなので実験は 80V までとします。ついでなので差動回路できるかなとの単純な理由で↑のような回路をブレッドボードに組んでみました。
Nutube の下にくっついている定電流回路はトランジスタ2個使ったよく見かける回路です。Nutube 特性グラフからアノード電圧 80V の時 20μA が定格いっぱいの目安。定電流回路は Nutube 2ユニット分なので 40μA 流します。トランジスタの VBE = 0.6V 程度として 0.6V / 40μA = 15k を定電流回路の電流制限抵抗にしました。
アノード抵抗は適当に 180k です。ヒーターはeneloop で供給という形で実験開始
Anode電圧 (V) |
負荷抵抗1 電圧(V) |
負荷抵抗1 電流(μA) |
負荷抵抗2 電圧(V) |
負荷抵抗2 電流(μA) |
電流の合計 電流(μA) |
グリッドバイアス 電圧(V) |
30 | ||||||
35 | ||||||
40 | 0.85 | 4.7 | 1.51 | 8.4 | 13.1 | -0.65 |
45 | 1.80 | 10.0 | 2.73 | 15.2 | 25.2 | -0.65 |
50 | 2.94 | 16.3 | 4.04 | 22.4 | 38.8 | -0.69 |
55 | 3.27 | 18.2 | 4.57 | 25.4 | 43.6 | -0.92 |
60 | 3.21 | 17.8 | 4.64 | 25.8 | 43.6 | -1.28 |
65 | 3.215 | 17.9 | 4.71 | 26.2 | 44.0 | -1.63 |
70 | 3.155 | 17.5 | 4.78 | 26.6 | 44.1 | -1.97 |
75 | 3.093 | 17.2 | 4.84 | 26.9 | 44.1 | -2.31 |
80 | 3.031 | 16.8 | 4.91 | 27.3 | 44.1 | -2.65 |
アノード電圧を上げていったところ 65V ~ 70V あたりがグリッドバイアス -1.63~-1.97V とほどよいバイアス電圧になりました。定電流回路も十分動く電圧です。ただ、ユニットのばらつきがあるので、電流値は差があります。(マイクロアンペアですし…)また、電流の合計が 44 μA になりました。15k * 44μA = 0.66V と出ました。VBE の想定がちょっと低かったようです。
この実験で Nutube の真空管動作もいけることがわかりました。あとは、負荷抵抗をカレントミラーにしてどれくらい増幅するかやってみる感じですかね。
汎用オペアンプ基板つないでどんな感じか試聴しますも、ブレッドボードなのでハムが煩い状態。「とりあえず普通に動いている」の確認にとどまりました。